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株式会社テンポスホールディングス   森下 篤史 社長

企業と利用客の新しい可能性「カンタレス経営」とは?

2019年7月、全国で飲食店支援ビジネスを展開している株式会社テンポスホールディングスの森下篤史社長に近況を伺った。

まず話題に上ったのは、2019年6月27日にジャスダックへ上場した、同社の連結子会社でステーキレストランを運営している「株式会社あさくま」についてだ。テンポスホールディングスも2002年に上場しており、これで親子上場を果たしたことになるが、森下社長の描く未来図はもっと壮大だ。5年以内にグループの中から少なくとも3社を上場させるべく、半年前から動き出しているという。同社の規模で親子上場をしている企業は片手で数えられるほどしか存在しない。ましてや5社上場となれば、他に類をみない事例であり、多くの関心が寄せられることだろう。

実はそこに本当の狙いがあるという。森下社長は自社のことを「ビジネスサイエンティスト企業だ」と語る。サイエンティスト(科学者)たちは、研究内容を独占せず、世の中に発表する。それにより評価を得て、科学全体の発展に貢献してきた。テンポスグループも自社で考案したビジネスノウハウをオープンにすることで業界を活性化していこうという構えだ。
だが、どんなに素晴らしい知見を持っていても「権威」なくして人は耳を貸してはくれない。「そのためにも、我々ビジネスサイエンティストの話を聞いてもらう仕掛けとして、5社上場させなければならないのだ」と、森下社長は展望を明らかにした。

また、注力している取り組みについても伺った。
現在、あさくまのメール会員者数は114万人。同社ではこのメール会員のマンパワーを借りた「カンタレス経営」を始めたという。
「カンタレス経営」とは利用客と従業員を隔てる壁=カウンターを無くそうという「カウンターレス」を語源とする同社の造語。あさくまを愛用してくれている既存客と一緒になって店舗を良くしていこうという取り組みだ。

たとえば…

・駐車場の生け垣の剪定を、庭いじりが趣味の会員にやってもらう「ガーデニングおじさん」。
・料理好きの会員に「お料理プランナー」としてメニューを開発してもらい、あさくまで試食販売。評判がよければ全国展開も。
・カメラが趣味の人に呼びかけて、飲食店のwebサイト制作用の写真を撮ってもらう。 etc.

もはや両者の関係は「サービスを提供する側/受ける側」と単純に分け隔てられるものではなくなっている。「自分がこの生垣を刈り込んだ」「私がこのメニューの開発に携わった」となれば、店への愛着も湧いてくるだろう。企業からすれば利用客と踏み込んだ関係を構築できるし、利用客からすれば得意を活かして喜ばれる。まさにWin-Winの世界観の実現といえる。
深刻な人手不足が叫ばれる今こそ、「カンタレス経営」が突破口となるかもしれない。

取材:柴田有紀/カウテレビジョン(2019年7月8日)

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