フィード・ワン株式会社   山内 孝史 社長

進化し続ける業界トップの飼料メーカー

 フィード・ワン株式会社の山内孝史社長に、2019 年 9 月のインタビュー取材以来、2 年ぶりに話を伺った。

 同社は、畜産業で飼育される牛、豚、鶏や水産業で養殖される魚などの餌となる「飼料(Feed)」の分野で、民間企業の中では売上、数量ともにトップの実績を持つ配合飼料メーカーだ。食料供給の上流を担う飼料製造事業は、まさにエッセンシャルワーク(欠かさざるべき仕事)であり、同社もその一社だ。2020 年 4 月の緊急事態宣言の際には、農林水産省から直々に「事業継続のためのガイドライン」が通達され、感染防止に十分な配慮をしながら操業を続けてきたという。

こうした状況下で、同社は 2020 年に 110 億円を投じて北九州市に「北九州畜産工場」を設立した。2017 年に新設した「北九州水産工場」とともに、生産基盤の拡充によって高まる需要に応える体制を整えた。これらの工場では「省人化・省エネ化」をキーワードに IoT や最新技術を取り入れており、時代に適応しながら期待に応える姿が印象に残る。

そんな中、今同社が最も注力をしているのが SDGs への対応だ。元来、飼料の原料に大豆・菜種などから油を搾ったカスを利用するなど、環境配慮をしてきている同社だが、今後はさらに SDGs への取り組みを積極的に強化していくという。社内でも SDGsの実践を社員が身近に感じられるようにと「私の SDGs 宣言」がスタートした。小さなことでも、生活の中で自分が意識的に行う SDGs について、社内で発表し実践していこうというものだ。こうした社員を巻き込みながら取組みを推進し続けることは簡単ではないが、山内社長にどのように牽引しているか尋ねると「まずは、自分(山内社長)が率先すること」と、背中を見せるリーダーシップが伺えた。

2021 年にはグループ統合 7 年目を迎え、10 周年へ向けた第 3 次中期経営計画がスタートするなど、新しい局面を迎えるフィード・ワン。コロナ禍においてテレワークや WEB 会議などを積極的に取り入れながらも、山内社長は「対面でのコミュニケーションも大切にしていきたい」と、無くしてはいけない人と人との関り方について強調した。我々の食の源流を担う飼料メーカーの強さの裏側には、こうしたハード面ソフト面の両方を常に進化させ続けるという同社の不断の努力が隠れているようだ。

(2021 年 10 月公開 柴田有紀/カウテレビジョン)